Thai行く祭

サワディカー。

秋深まるなか、食欲の秋に、スポーツの秋、私はもっぱら読書の秋です、みなさまいかがお過ごしですか。

野球のクライマックスシリーズで世間は盛り上がっていたらしいけど、スポーツに疎い私は、クライマックスと言う程だからクライマックスなんだろうなぁというほどの感想です。

引退を決めた福原愛ちゃんにはお疲れ様と言いたいですが、私のあまり仲のよくない姉が福原愛ちゃんに似ているので、愛ちゃんを見ると姉を彷彿とさせ、素直に労いの言葉がかけられない。サーーーーー。

 

そんなスポーツにあまり興味のない、というかスポーツが苦手な私ですが、唯一高校の体育祭には燃えました。
そんな体育祭のお話でも今日は書こうかな。


母校の体育祭のメインは団ダンス(今でもそうなのかは知らないけど)。
走りが早い訳でもない、棒倒し系のパワー種目なんて戦力外通告の私が

体育祭に燃える理由は団ダンスオンリー。

帰宅部だった私が唯一輝ける場所。

 

他の高校は団への参加は有志を募るか、もしくは各クラス何名選出という形をとることが多いらしい。

しかし母校では、1、2、3年の各学年1クラス全員40名ずつが、他学年と組み合わさり合計約120名で一団となる仕組みであった。

一、体育祭で踊らざるもの我が校の生徒でなし!!!!

一、アホでもアホじゃなくても踊らにゃソンソン!!!

と生徒手帳の校則に記されてるのでは?

と疑いたくなるほど団ダンス参加への恐るべき強制力をもっていたのである。


一応建前は任意参加なのだけれど、不参加の祭にはクラス全員の前で参加しない事を知らせ、その理由を表明しなければならない。
なぜなら男女ペアダンスという、なんちゃってアベックをクジ引きによって作らなければならず、一名でも不参加の生徒がいると、男×男、もしくは女×女、あるいは見ず知らずの先輩or後輩とペアになる可能性が出てくるからだ。

よって1名でも不参加の者が出ると
「お前のせいで体育祭という秩序が乱された」
「アンタのせいで私が女ペアにでもなったら私の青春、一生償えよ??」
とクラス全員から無言の暴言を浴びることになるのである。

高校にもなると、弱肉強食の社会のシステムはしっかり出来上がっている。
このリスクを負ってまで、ただ出たくないという理由だけで

「参加しません…...」

と10代半ばの少年少女は言えるだろうか、否、言えない。
そして若きひらちゃんも、こと行事の際には有言でも無言でも圧力をかけまくる存在だったことをお許しください。


全国の高校の団ダンスでも掛け声はあると思うが、我が母校も例に漏れず、簡単な振り付けに合わせた掛け声が、体育祭を語るうえで外せない。


どの団も男女ペアはなぜか愛し合う二人という設定で、

やっっすーーーーい愛の言葉をささげ捧げ合うか、

赤団最強!青団に敵なし!!絶対優勝!!!

というものがほとんど。

男60名「お前が一番好きやねん~♪♪♪(連日の練習でガラガラ声)」
女60名「ウチもアンタなしでは生きてけへん~♪♪♪(連日の練習でダミ声)」
120名全員「優勝させてPTA~~~♪♪♪(まさに阿鼻叫喚)」

10代半ばという若さで島原の乱の総大将となり、志半ばで敗死した天草四郎と、体育祭という健全であろう行事で、親や教師の前で、はばからず聞くに堪えない大声で好きでもない相手に大ウソの告白をし、採点を左右するPTAという権力者に大声で媚びへつらう10代半ばの私たちの違いは火を見るよりも明らかである。

 

どこにでもあるような公立高校の、小さな体育祭のことで、あの頃は一喜一憂していた。

けれど優勝しても最下位でも、その後の人生にはきっとなんの影響もない。

それでも楽しかったよ、体育祭。

 

ただ今になって気になるのは、本当は参加したくない彼らがどんな気持ちで
「優勝させてPTA………」
って言っていたんだろうなぁということです。